2015年11月26日木曜日

このままでいいのか

コーチングスクールも2か月を過ぎ、残り1か月を切り、いよいよ大詰めです。

テストは何とか順調で、本日フィジカルのテスト結果も合格で、一般課目4つ、専門科目5つ全て合格です。テクニックの結果待ちと、明日は社会学のプレゼンを行って合格すれば、11科目終了になります。
現在はより専門的なTáctica(戦術)と Juego colectivo(集団(チーム)プレー)が終わろうとしており、来週テストです。週末より新しい教科も始まりますので、まさにハードな残り1か月です。

とにかく、量が多いのと、スペインサッカーの奥深さを感じています。一般課目は日本でもあまりかわらないと思いますが、専門科目は本当に奥が深いです。現在手を焼いているのがJuego colectivo(集団(チーム)プレー)の授業。
前回はバイエルンミュンヘンとセビージャのそれぞれの試合を見てから、攻撃とトランジションで各チームの違いを述べる抜き打ちテストが行われました。
そして現在は、モウリーニョのレアルマドリード時代の戦術を分析した書籍を読んで、それに対する意見と、そこから考えられるレアルのプレーモデルを浸透させる練習メニューを攻撃のFaseに位置するSlida de balón, progresión,finalización,の各場面ごとに考えるというのが宿題です。
楽しいのだけれどメチャクチャハードです。

すでに学校が始まって、ついて来れずに辞めた生徒や、レベル1を取れずに終わりそうな生徒。もしレベル1が取れなければ1年間待って、来年また受けるしかありません。学校に行けば受かるのではなく、ダメだったら追試、それができなければさよならです。すでに怪しいスペイン人の生徒が数名います笑。

コーチングスクールに行って感じるのは、スペインサッカーがもはや「学問」になっているということ。サッカーというスポーツがあらゆる角度からとらえられ、また体系付けられていて、その日本とは違う独自性と内容の多さが印象的です。尚且つ、ヨーロッパですので、世界最先端の情報がいち早く入って来て、それをすぐに研究したり落とし込んだりしています。

以前も書きましたが、一緒に住んでいるルイスはサッカー専門の分析システムを国内外のトップチームに導入する仕事をしており、取引先はビッククラブばかりです。そのシステムは現在ヨーロッパの先端を行っており、先日もイングランドの仕事が終わったとのことで、いろんな話を聞かせてもらいました。ちなみに、年内か1月に、そのクラブを一緒に視察に行く予定です。できればチェルシーとの試合を希望していますが。

としている間にスペインではクラシコが行われ、チャンピオンズリーグの予選が終わろうとしており、そして週末には各年代の様々なレベルの選手が年間リーグを戦っています。
僕の学校にもフベニールでプレーしながらコーチの学校に通っている選手もいます。そして彼らは日本人の僕らが初めて知るような知識をすでに持っていたり。

こういう環境でサッカーに触れている中で、最近いろいろ考えています。

日本のサッカーは進歩しているのだろうけど、ヨーロッパのスピードと比べてかなり遅い。追いつく日は来るのか.......

また、日本にはサッカーのベースとなる知識体系が欠けている。それ無しではヨーロッパに追いつくことができないのではないか。
各監督がもしくはコーチが自分なりの考えを・哲学を作って行くのは当然ですが、その基礎となる学問的な体系が日本にはまだない。僕の知識不足かもしれませんが、日本にいる時に「体系づけられた」ものを見たことがありませんでした。

守破離という言葉をイメージすると、僕はまずこの「守」の段階が必要であると思います。当然その先に「離れてオリジナルなものを作る」という前提で。


日本を離れてスペインで勉強していると、良いことも嫌なこともたくさんあります。サッカー面では新しい知識を次々に学ぶ喜びもありますが、その反面悔しさもあります。最近は「日本の良さ」をサッカー以外の面でもいろいろ勉強しています。

僕の年齢から、ライセンス取得後もスペインに残ってそこで勝負するというのは現実的ではありません。レアッシというクラブを成長させることが一番の目的であり、当然そのために仕事をしたいと思っています。クラブも新たな時期に入って行きますので、目標をひとつづつ達成して行きたいですね。楽しみです。

と、同時に新たな目標もできてきました。いつもの如くまだ口に出しては言えませんが、大きなプロジェクトで、日本では誰もやったことがないものです。
それがクラブの発展に必ず役に立つものだと思っています。


いよいよ、加速的にいろんな事が進んで行く時期に入ってきました。

2015年11月16日月曜日

テクニック、戦術以前に戦うこと

僕個人の意見ですがスペインで育成年代の試合を見ていると、日本とはあきらかに違う点が見られます。

それは、試合中の選手は「激しく戦っている」という点です。ほんとうにボール際は激しく、見ているほうがヒヤヒヤします。カウンターの時トップスピードでドリブルする選手にディフェンスがアプローチした時には「来る!」と感じます。また、ルーズボールの際には思いっきりボールを蹴りに行って、相手を蹴ってしまうこともあります。一昔前に言われていた「サッカーは格闘技」、まさしくそんな感じです。
こんなに激しいプレスでは簡単にボールを持てない(ドリブルできない)ことがよく分かります。

スペインのコーチングスクールのテクニックという科目の中に、ドリブル(スペインにはドリブルの種類が2種類ありますがそれは置いといて)のデメリットの中に「ケガをするリスクがある」というものがあります。

ボールを持つということは相手が激しく奪いに来るので、その際に足を蹴られたり、引っかかってしまったりする可能性があるため、ケガをするリスクは高まります。ドリブルするのは勇気が要りますね。

最近考えている、日本のインテンシティの低さとドリブルサッカー。良く言う「パスサッカーやドリブルサッカー」などはそもそも存在しないのですが、育成年代では偏った指導が行われることもあります。
まずはドリブルを教えてその後パスを教える。バルサみたいなサッカーしたいからドリブルしてはいけない。ひたすらドリブルしかしない。etc...
(それはそれで指導者の考えなので良いと思いますが...)

そいうことを考えていると「何故日本では今だにドリブルばかり練習して、ドリブルが上手い=サッカーが上手い」みたいな幻想があるのかという問題が浮かびました。

それはディフェンスのインテンシティの低さ、戦術の未熟さにあるのではないかと最近思っています。そのレベルが低いため、ドリブルが通用してしまう。なので、試合に負けてしまう。そうなるとそのようなドリブルテクニックを身につけたほうが上へ行ける、という感じです。

多分スペインでそれをやったら試合中「ガツン!」とやられて終わりです。通用しません。


話しは戻って、「サッカーは戦いである」ということ。これはテクニックや戦術云々の前にサッカー選手として基本的なものであると同時に絶対的なものです。
それはプレーモデルといった大きな問題から選手個人のディテールの問題まで、様々な要素のベースにあるものです。

「かけひき」もこれに含まれるかもしれません。

「どうやったら相手に勝てるか?」

「負けもいいから良いサッカー」、「将来につながるサッカー」、本当に存在するのでしょうか。

2015年11月6日金曜日

夢は叶わない

「夢は叶う」、好きな言葉ですが最近どうも違うような気が。

僕も「努力すればきっと夢は叶う」と信じてきたのですが、どうやらそうでもないのでは、と最近思い出しました。

きっと「夢」は現実から届かない、まさしく「夢」であって、それは現在実現できないから「夢」なのかもしれません。

では、何が叶うかというとそれは「目標」ではないかと思います。

「夢が夢であるうちは」実現できず、それが現実の「目標」に変わった時に初めて実現可能なものになるのではないかと。

思考するのは言語

コーチングスクールも、もうすぐ約2か月になりレベル1の授業が半分くらい終わりました。
3か月間毎日学校に通いサッカーの勉強をするということは、楽しくもありますが苦労も多々あります。はっきり言ってMuy duro です。

写真は学校にある人工芝のグランドです。週に数回プラクティカがあります。

今日もテストがありましたが、現在は8科目のテストが終わり、6科目は合格、残りはまだ発表されていません。多分大丈夫だと思いますが。
先生はカステジャーノで話してくれるのですがテキストはカタラン語、試験までにカタラン語→スペイン語→日本語と2回翻訳しなければなりません。
カタラン語で書いてあってもそれを日本語に訳したほうが早いと思われそうですが、一度スペイン語に訳した方が僕は分かり易いです。
もうすぐ1年経つため、もう結構ぺらぺらでしょ?と思われるかもしれませんが、僕にとって言語の習得は簡単ではありませんね。1年ではペラペラにはならない、というのが結論です。
ただ、毎日難しいスペイン語に触れるので免疫はできてきました。長文もなんとなく理解できます。
少しづつ成長ですね。話は変わって...

2015年10月29日木曜日

選手は上手くなるか

9月から始まったコーチングスクールでは一般科目と専門科目があり、年内にレベル1の合否が確定予定です。

一般科目は現在、解剖学、スポーツ機構と法律(スペインの)の試験をクリアして、明日は応急救護のテスト、専門科目はメソッド論とルールをクリアして、ゴールキーパーの結果待ちと、明後日は怪我と安全(解剖学的要素)の試験です。

専門科目であるメソッド論などは、レベル1で大まかに触れて、レベル2からはもっと詳細になって行くようです。
現在はPreparación Fisica(フィジカル)、テクニック、戦術論などの授業も行われています。とにかく、授業の時間がとても多くて長いです。それだけ、サッカーのコーチの知識を勉強するには時間がかかるということですね。

これからもっとサッカーの専門知識に入っていくので非常に楽しみです。



話しは変わって、僕が最近考えていることがあります。それは、

2015年10月16日金曜日

業務提携 共同プロジェクトに向けて

毎回のことながらブログの更新をさぼってしまいました。いつも読んで頂いている方がすいません。
(現在僕は、毎日コーチングスクールに通っており、文字通り全然時間がありません!!!言い訳ですがすいません。)

この1か月はものすごいスピードで過ぎて行きました。先週レベル1のメソッド論のテストが終わり(合否はまだです)、現在は競技規則、教授法、ゴールキーパー、解剖学、テクニック、応急処置、グランドでのプラクティカetc..毎日忙しく勉強しています。
レベル1は一般課目が多く、あまり得意ではないですが何とか頑張っています。
この年になってこんなに苦労するとは夢にも思いませんでした。海外に留学するなら若い時がお勧めです。
とはいっても自分で選んだ道ですから、弱音を吐いている場合じゃないですね!
明日もテストを控えてますが、気分転換にブログ更新です。


そんな中でも嬉しいニュースが。すでにご存知だと思いますが、今年10月、レアッシはPST(プレサッカーチーム)と業務提携しました!

夏頃よりバルセロナにて坪井氏と進めてきた様々なアイデア、レアッシとのコラボレーション計画。先日代表たちがバルセロナに来ていろんな打ち合わせ終え、今後レアッシとの長期共同プロジェクトを進めるために、会社どうしの業務提携をすることとなりました。

まだ詳細は発表していませんので、何をするのか分からない?といた感じでしょうが、大雑把に言えば、「面白いこと」します。日本で誰もやったことがないようなものです。
すでに始めているプロジェクトもありますし、確定していることもあります。その先のプランもいろいろできています。

レアッシというクラブチームができて7,8年、常に変化と向上を求め進んできましたが、これからもっともっと加速して行くと思います。


クラブが選手、保護者、OB、地域に本当に必要とされるものになるために、そして魅力的なクラブになるためにこれからが勝負です。クラブを愛して信じてくれている方々のためにこれからも精進していくだけです。

2015年9月20日日曜日

シビアな競争を勝ち抜くこと

スペインでの育成年代の環境を見ていると、選手たちは常に毎年新しい環境に身を置くことになり、それに適応できる能力が必要だと感じます。

例えば監督が代われば練習方法、スタイル、規律のゆるさ厳しさ、チーム内のルールなど様々な部分が変わります。
日本の育成年代だと同じ監督やコーチに続けて欲しいとの声もよく聞きましたが、サッカー選手として監督が変わり、それによって試合に出れなくなったりポジションを変えられるのはよくあることで、選手はそれに適応しなければなりません。

そしてチームにフィットできず出場機会がなくなれば移籍になります。

スペインではこのシビアな環境を選手たちは乗り越えて行きます。
例えば、現在僕が所属しているクラブでは20名強の選手が所属しており、週末の金曜日の練習後の試合のスタメン、ベンチのメンバーが発表されます。先週はスタメンだったのに、今回はベンチ外になることもあります。対戦相手の分析から、また選手のコンディションや活躍、いろんなものが考慮されて決定されます。
週末の試合に向けたセットプレーの練習では相手役をやる選手は「今週は出場できないかも」と思いますし、そこで腐ってしまえばどんどん機会はなくなります。

常に毎週末の試合と日々の練習で評価されるため、気を抜くことができません。日本の負けたら走らされる、監督が怖いなどとは違う、本質的な厳しい環境です。

このクラブへ行けば上手くさせてもらえるといった他力本願ではなく、自分が結果を出すことが次のステップになる。
クラブと選手の序列化がはっきりとなされており、選手だけでなくコーチも競争原理に組み込まれています。やるかやらないかは自分次第。
それがスペインでは文化として根付いているので、一般の人でも「サッカー選手になる難しさ」を良く分かっています。
日本でよく売っている、フィジカルがなくても戦術を鍛えればサッカー選手になれるとか、強豪クラブのセレクションに合格する方法などどいった嘘のような書籍は一切ありませんし、子どもをサッカー選手にする方法などの書籍は存在しません。
その一般レベルでの成熟度の違いが、日本とスペインの大きな差の一つではないでしょうか。
夏に帰国した時に書店のスポーツコーナーを見ましたが、サッカーが上手くなるための方法などの書籍がずらっと並んでいるのをみると、世界との違いを感じます。

ただ、スペインに来て日本の良さ、スペイン人よりも優れているところも分かってきました。スペインの考えをそのまま日本に持ち込んでも通用しないですから、上手く適合させなければなりません。